薔薇が咲き乱れる庭の中央に、白い少女は佇んでいた。
　白い布を巻かれた何かを大事そうに両腕で抱き締めて、少女は貴方を見つめる。


　「わたしの大切な　――　を探して。」


　抱えた何かを手渡しながら、少女は貴方へそう告げた。


　「わたしの大切な――　。大切な　―――...　、」


　涙を流して何度も、何度も同じ言葉を告げる。

　そこで貴方は目を覚ます。其れが夢だったのだと実感する。
　けれど貴方の傍らには夢で渡された、白い布を巻かれた其れが落ちていた。

　白い布を巻かれた、人形の頭が　...。


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【※　告　※】

　場合によって、怪我、死亡も御座います。

【　イベント概要　】

　夢の少女に手渡された人形の身体を探して下さい。
　身体は、右腕、左腕、右足、左足、胴体と5つのパーツが有ります。

【　イベント説明　】

　期限内に最低４回　＠人形　を付けてロールをお願いします。
　
　１度のロールで１回、【判定】を行い、秒数が、

　【偶数】　　人形の身体は見付からず、嫌な事が起こる。
　【奇数】　　人形の身体の一部分を発見。
　【ゾロ目】　人形の身体を二つ発見するが、嫌な事が起こる。
　【末尾０】　四肢の一部を切断される事故が起きる。

　０のゾロ目の場合は、ゾロ目優先。

　と、なります。

　また、乱入（NPC、PC）があった場合、判定回数を１回増やす事が出来ます。
　何人乱入があったとしても、増やせる回数は１回（合計２回）のみです。


　人形は持っているだけで厄を呼び寄せる様な、不吉な人形。
　人形を持っている間は何かと嫌な事が続くでしょう。
　（ミスをする、怪我をする　から、重傷を負う、強姦に遭う、死亡するまで大小様々）

　捨てても壊しても其れは何時の間にか貴方の傍に戻ってきます。
　離れる方法はただひとつ、人形を完成させる事です。

【　イベント終了後　】

　人形を完成させた場合、夢の少女は人形と一緒に帰っていきます。
　人形が未完成の場合、貴方の持ち物がひとつ、人形と一緒に取られていきます。

【　乱入について　】

　モンスター（戦闘推奨区域、準戦闘区域のみ）、NPC（犯罪者等）、PC様で乱入して下さった方には、
　PL日常ポイント１を１PL様２回まで差し上げます。

【　イベント期限　】

　12月15日まで（場合によっては早期終了有）

【　募集制限　】

　制限無し。職業、種族、犯罪歴の制限は有りません。
　応募人数が多い場合、募集を締め切る場合も御座います。

【　報酬　】

　金銭報酬無
　経験値１（日常ポイント7）
　死亡してもＰＬ経験値１を受け取る事が出来ます。

【　連絡先　】

　私書箱　doll

（　―――あるはずのものが無いっていうのは、けっこうきつい。
　　かと言って、無くしてしまったから探すかというと、それでくっ付くわけでもなし、私は諦めたと思うけど。
　　二の腕はともかく左脚はきちんと荼毘に付してくれたらしいから、私には分からない。

　　もしも五体満足で見たのなら、ただの怪談ちっくな夢だった。
　　よくある話だと思う。　私の○○どこにあるの？と聞かれて、分からないと答えたらその部分を持って行かれてしまう、とか。

　　でも片脚なくしてしまったばかりの私は、それを、あまり不気味だとか恐ろしいとは思わなかった。
　　ただ、哀しくて哀しくて―――

　　夢で泣いたのは久しぶり。
　　暑くもないのに嫌な汗かいて眼を覚ましたら、手元に白い包みが転がっていた。

　　お見舞いにしては、なんというかセンスがいい。
　　でも、そんな素敵な友達は思い当たらなくて。　何よりその、何の変哲もない白い布の包みが夢のままの物に見えて。
　　どうしたものかな、と頭しかない人形の頬を撫でた。　）

　大事な―――　を、　さがし　て。


　（黒髪の人形の頭は、貴女の傍に...）

（　…最後に見た人形は、恨めしげに、泣いていたような気がした。
　　…気がした、だけだ。　暗かったし、というか人形が泣くわけないし、あの女の子にとって大切な人形で、大切にされているならやっぱり泣くわけないのだけれど。
　　でも、そんな気がした。　私が、怖い思いをしたからだろうか。

　　とにかく人形は姿を消して、代わりのように置いて行かれた人間一人分の手足でまた大騒ぎになったけれど、なんとなく、これで終わったのではないかと思う。
　　人形は無事に完成して、めでたしめでたし。　探したつもりがないのはさておく。　探そうとしたって当てなんかないわけで、偶然に期待して車椅子をこぐくらいがせいぜいだったのだから。

　　とはいえ、おかげで車椅子をこぐのにも不自由するようになってしまった。
　　そんな風に考えるのは責任転嫁かもしれない。　大鉈で襲われたあの先生にはたまったものではないだろうし、私はやってないなんて言うつもりはないけれど。
　　それでも、あのとき人形の左腕が見つかったのが、何かを意味しているような気がしてならないから。

　　…結局何も分からないけれど、これで終わったのだろうか。
　　あの人形は、どうして―――　）


（　管理された病院内での事件は、ちょっとしたニュースとして扱われたかもしれない。
　　荒唐無稽で相手にされないかもしれないが、そういった話を専門に扱うようなところでは、意味不明ながらも　『夢で渡された人形』　にまつわる詳細を記すかもしれない。
　　その当事者が、ウォッシュベアーの生き残りで、医師を襲ったことなども含めて。　何かあるんじゃないかと匂わせながら。　）


11/17 FS4：判定：13→左脚発見。
11/21 ヴェイトス中央病院：判定：23→右腕発見。
11/22 FS4：人形に引き寄せられたシーツゴースト（☆2）に襲われる。判定：51→胴体発見。
11/24 FS4：回診に来た医師（ランセット）を襲う。右腕が動かないはずの方向に動き、あるはずのない汚れた鉈を振り上げた。判定：40、53→左上腕轢断、左腕発見。
11/27 FS4：ヴェイトス中央病院、個室。
11/28 FS4：夢の少女が現れて、身体の揃った人形を持ち去った。判定：39、59→右脚発見？、切断された人間の手足一人分が病室に残された。
11/29 ヴェイトス中央病院：事のあらまし。

　貴女に対する人形の厄は消えた。
　夢の少女にとっては理想的で、人形にとっては最悪の結末。

　貴女の傍らに置かれた人間の手足は、一人の少女のもの。
　自警団若しくはどこぞの機関が調べ上げれば、其れがとある孤児院で行方不明となっている
　子供のものだと解るだろう。

　人形は子供で子供は人形。
　全ての事実が解明するには、もう暫しの時間が　必要か。

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　お疲れさまでした。
　規定経験値（日常ポイント7）+乱入モンスター分の経験値をお受け取り下さい。
　【シーツゴースト☆2+夢の少女☆2で、バトルポイント4】

　

(妙な夢を見た。
目を覚ますと、動悸が酷く活発で、息切れも酷く。
枕元には、見覚えの無い包みが一つ。)

……何、これ。

(怖気と好奇心が綯い交ぜになった、言い知れぬ感情と共に包みを開き ――
―― 転がり落ちた『中身』が見えた時、私は思わず二の句を失った。)

　私の、だいじな――――　...。


（貴女の傍には、赤髪の人形の頭がひとつ...。）

(結論だけを簡潔に述べるならば、その奇妙な人形は完成を見ることはなかった。)


一回目：居住区(奇数・胴体)
二回目：暗黒街(偶数・未発見)
三回目：暗黒街(偶数・未発見)
四回目：FS4(奇数・右手)

…………　。

（　少女は嘆き、哀しみ、泣き崩れる。人形は安堵した様な笑みを浮かべた後、粉々に砕け、貴女の傍から消える。　）

（　貴女が次目覚めるときには、貴女の大切なものがひとつ、消える代わりに大量の白い髪が散らばっているだろう。　）



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お疲れさまでした。
タイミングが合わず、一度も乱入出来ずに申し訳御座いません。
規定経験値をお受け取り下さい。ご参加、有難う御座いました。

（おかしな夢だった。
　余り夢を覚えている方じゃないのに、やけにくっきり残る手触りが、何だか胃に重たくて変な感じで。
　それでも夢だと思っていた。これまでだって、どんなにオカシナ夢を見たって、目が覚めれば夢だった。
　だから、目を覚まして『ソレ』を見付けた時、思ったんだ。

　まだ、これも夢の続きなのかなって――。）

　わたしの大事な――――　を。


（貴女の傍には、金髪の人形の頭が　ひとつ...）