【容姿】 馬上槍試合用の派手な装飾の施された、青い甲冑の騎士。
街中でも甲冑姿でいる事が多いが、鎧が装着できない状況では私服を着る。 大概は上等な白いシャツ、青のジャケット。ビロードのズボン。 顔面は完全に火傷で覆われ、包帯が乱雑に巻きつけられている。 瞳は緑色。爛々と燃えるように輝いており、兜の面貌越しにも見えるとか。
【概略】 発狂した騎士。 或いは自らを騎士と思い込んでいる狂人。 存在しない宿敵を追い求め、其れを倒す術を探求している。
【人物】 ルトガー・アクード(Rutger・Haccoude) クリスティア風の発音、綴りであり、 共通語ではロジャー・ホークウッド(Roger・Hawkwood)。 二つ名は青騎士(Blu Cavaliere) 。
騎士の名門アクード家の跡取りであり、槍試合の名手として知られている。 だがある日、地方で行われているトーナメントに向かった際、彼に不幸が訪れた。 黒騎士を名乗る人物に腕試しを持ちかけられたルトガー。 彼は軽い余興といった気分でその提案に頷き、槍試合に応じたが、 しかし、それはルトガー・アクードを貶めんが為の罠だったのだ。 黒騎士は卑劣にも面妖な魔術を用いてルトガーから顔を奪い、 そればかりでなく、ルドガー卿の親友にして忠実な従者までも殺し、 そしてこの島に災厄を齎すと高らかに言い放ち、ヴェイトス市へと去っていった。
傷を癒したルトガーは、書物を手繰り、彼の黒騎士を倒す術を探った。 黒騎士を倒す方法――それはただの一つしか存在しない。 「剣の貴婦人」と呼ばれる女性に剣を捧げ、祝福してもらい、そして討ち果たすのだ。
倒す術も知った今、最早あのような邪悪を許しておける筈はない。 奪われた顔を取り戻す為、そして従者の復讐を晴らす為、 何よりも正義の輩である騎士として、ルトガーは黒騎士を討ち取らねばならない!
ルトガーは愛用の青い鎧兜に身を包み、愛馬テスタロッサに跨ると、 一躍ヴェイトス市へと向かって行った―――――――――――
―――――――――――――――――――と彼は思い込んでいる。
【真実】 第一にルトガー・アクードは既に故人であり、 彼はルトガー・アクード卿の従者だった男である。
順を追って説明しよう。
まず、ルトガー卿が騎士の名門の出であり、馬上試合の名手であったこと。 そして卿と彼の従者が、親友と呼べるような間柄であったこと。 この二つに関しては、事実である。
ある日、クリスティア辺境領で行われたトーナメントで、叛乱勢力のテロが起きた。 当時としては珍しく火薬を使った爆発物によるものであり、 幸いにして殆ど死傷者はなかったのだが…………。 唯一の死者と負傷者が、誰であろうルトガー卿と、その従者であった。
馬上槍試合の練習中、間近で爆発に巻き込まれたルトガー卿は、全身火傷で即死。 従者の方は幸いにもルトガー卿が盾となり一命を取り留めたものの、 熱で兜が焼け、顔面を完全に損傷するほどの火傷を負っていた。 駆けつけた人々に助け起こされた従者は、息も絶え絶えに言葉を発する。
「もう一人いただろう。もう一人いた。彼はどうなった?」 「残念ですが、彼はお亡くなりに…………」 「そうか……」
そして気を失った彼は、その後二ヶ月ばかり昏睡状態に陥るのだが……。
問題は、その後である。
生き残ったのが果たして何者なのか。 本人を除き、その場にいた誰にもわからなかったのだ。 陣屋にあった荷物などからルドガー卿とその従者であることは判明したものの、 主催者はルトガー卿の顔を知らず、更に二人とも練習用の鎧だった為、 外見では全く区別がつかなかったのである。 もしもこの顔を失った人物が騎士だとすれば、下手な扱いはできない。 ましてや騎士が死んだとなれば……だ。 事件の責任追求以上に、如何なる罰が待ち受けているやもわからない。 故に主催者は昏睡中だった従者に上等な病室を宛がい、医者をつけ、 丁寧に看病し、そして目覚めた彼に真っ先に声をかけた。
「もし、もし、ルトガー卿であらせられますか?」 「そうだ。私がルトガー・アクードだ。――喉が渇いたな」
この時、顔面を焼かれ親友を亡くした従者が発狂していたなど、誰も知らなかった。 狂った従者は自らをルトガー・アクードだと思い込んでおり、 不幸にも周囲の全員がそれを事実だと認識してしまったのだ。
騎士に憧れて従者となった『ルトガー・アクード』。 彼の壊れた精神は、事実を上記のように改竄し、受け入れた。 そして故郷に戻る事無く、ルトガー卿の残した青い鎧兜を纏い、 幸いにも無事だった名馬テスタロッサに跨り、一躍ヴェイトスへと奔って行った。 (周囲の人物はそれを療養の為だと考え、納得し、彼を送り出した)
【精神状態】 彼は完全な狂人である。 自らを騎士道物語に登場する騎士と思い込んでおり、 その弊害から「恐怖」という感情を喪失している。 彼はたとえチンピラであろうと、巨大な龍であろうと、風車であろうと、 悪や脅威を見れば躊躇うことなく正義の剣を抜き、愛馬に跨り、突貫する。 後先を考えずに、だ。 その上で、黒騎士を討つという強迫観念に駆られている。
記憶を退行させる等の方法で治癒する可能性はあるが、 パニックに陥ってしまう可能性も非常に高い。
【看破、既知について】 ・職業が騎士、貴族である場合 ルトガー・アクードの名前などを知っている可能性がある。
・加えて、出身がクリスティアである トーナメントでテロに遭遇した事実を知っている可能性がある。 或いはルトガー卿本人と面識があった可能性も。
・きちんと医術を学んだことがあるなどの理由があれば、 ルトガー・アクードが狂人だと看破することも可能である。
【技術について】 騎士の鍛錬相手を務めることは従者の重要な仕事の一つである。 そしてルトガー卿の従者は騎士に憧れていた為、熱心に武術を学んでいた。 よって彼は「武術に関してのみ」騎士と同等の力量を有している。 ルトガー卿の得意種目であったため、剣術より馬上槍の方を得意としている。 礼儀作法などについては必要最低限を身につけているものの、騎士としては不十分。 他の騎士、貴族に関しての面識を含む上流階層の知識も皆無である。 また彼の認識している『騎士道』は、多分に騎士道物語の影響を受けている。
【装備】 フルフェイスヘルム:装飾過多な青い金属兜。 視界は狭く、性能は悪いが、腐っても兜である。 サイズが微妙に合っていない。18万エン
スプリットメイル:派手な青色の鎧。 その上から蒼と白色のサーコートを着込む。 外見は板金鎧だが、鎖帷子と部分鎧によるもの。 防御力はそれなり。60万エン
カイトシールド:やはり派手な装飾の青い盾。 掛金で鎧から吊るす事で、乗馬中も保持できる。 実用に耐えうる。15万エン
ランス:馬上槍試合用の代物。 安全性を高めるため脆く、砕けやすい。 二本常備。合計5万エン
ロングソード:装飾も少なく、切れ味もある。 およそ唯一の完全実用品。片手用。8万エン
軍馬:名前はテスタロッサ。 青毛。本来は黒一色なのだが、光の加減によっては青く見える。 燃えるように赤い鬣が、名前の由来になっている。30万エン
馬用鎧:やはり青色の馬用鎧。 装飾過多。性能はそれなり。10万エン
【住居】 現在、騎士団の宿舎にルトガー・アクードの名前で、部屋を間借している。
【槍試合】 黒騎士を求め、コロッセオで時折行われる槍試合に出場している。 これに出場する限り、馬上槍に関しては支給される。 試合の際、発言秒数下一桁による判定を二回行い、結果を求める。 一回目の判定はルトガーのもので、二回目は対戦者のもの。 この二つの数値を比べ、大きい数値の側が勝者となる。
【収入】 幸いにも(と言って良いのかどうか)アクード家は卿の死を知らず、 『ルトガー・アクード』をルトガー本人だと認識している。 その為、今も送金は続けられており、彼は生活に困っていない。 よって月給として20万エンを受給している。
【財産】 装備合計:146万エン 月給:20万エン 支出:15万エン(武具の手入れ、馬草代など)
現金:4万エン
【経験値】 日常:4/7 戦闘:0/10 |
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