出来れば、近いうちに。
お話が、したい、な…

　　　　　　　　イクス


（小さな淡い水色のカードの、上。
言葉同様、少々控えめな文字で、お誘い、を。）

（この頃、屋内で働いていた事が多く、
久しぶりに買い物に出た帰りに掲示板のチェックをした。
３日付けのメッセージは前回と違い、小さい。
おのずと、用件が見えた気がするが。ただ自分も彼に用があったので
この偶然は少し嬉しい。）

「こんばんわ。イクスさん。返信が遅れてすみませんね。
私の方も用がありましたので、お誘い嬉しい限りです。
８日月曜日２２時からなど時間が空いてるのですが、いかがですか？

李　来香」

（イクスのカードを手に取り、同じ箇所に紙面を貼り付け。お持ち帰り）

（ぽた　ぽたぽた…
雨に濡れた姿そのままに、ふらり、訪れた。
以前己がカードを貼り付けた、その場所に。
しばし、留まる。

・・・・・・。

そうして　このような場所であれば、多分あるのだろう。
「ご自由にお使いください」な　紙とペンを使用して、返事をしたためた。）


　来香へ

　うぅん　ぜんぜん気にしてないけど。
えぇと　その日と別に、十日にも会いたいんだけれど・・・
無理なら　十日だけ、か。
その日ダメだっていうなら八日の夜だけでも　イイ、よー

ただし　それによって俺の方の用件は、変わってくるかもー


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イクス


（書いているうち、髪から雫がたれて。
所々へにゃりと皺になっていたり、インクが滲んでいるかもしれない。

来香の返事を剥がすと変わりにそれを　貼り付けて。
お返事はなるべく濡らさぬよう、指先でちょん、と摘みながら
テイクアウト。）

（昨夜降っていた雨のせいだろうか。不機嫌な灰色の空を
潜り抜け、やってきた掲示板広場は、どこか湿った空気を帯びて
沈静していた。

何事もなければ返事の早い彼のことだから、
もう返信はきているだろう、と訪れたのが良かった。

滲んだインクと皺になって乾いた紙面はやや見づらいが
特に問題はない。内容を黙読して、スケジュールを今一度確認し
青年はペンを手に取った。）


「　イクスさんへ

　そうですか。それは何よりです。
８日は前回言ったとおり、２２時以降なら。
１０日は２１時以降ならお付き合いできますよ。
いつもこちらに来ていただいて申し訳ないですし、
今回の場所の指定はイクスさんに任せますね。

李　来香　」

（紙面は、やや軟弱化してしまったかのようにもろい。
これ以上湿った空気に曝しているとさらに痛みやすくなる。
「風邪を引きませんように……ね、イクスさん？」と
引くかどうかも分からない彼に独り言をもらし。メッセージをお持ち帰りした。）

（今日も雨　だ。
不機嫌な空を仰ぎながら、其処へと、足を運ぶ。

今回は返事が遅くなってしまったから
彼が心配していないといいのだけれど。）


　　　じゃ　今夜。

　　「べたべた」っていうおかしやさん　で。



（簡潔な文章のみを綴ったカード。
彼の返事と入れ替わりに、その場所へ貼り付けて。
返事は、大切にズボンのポケットの中へと。

「ギリギリだからなぁ…
ライシェンが気づいてくれるといいんだけれど。」
呟けば、


くるり。

傘が踊った。）

（ふら　り。
訪れた。
首には、以前相手にもらったマフラーが、巻かれていて。）


今日は来香のおうちに行くね。
たぶん　２２時か
２２時半くらいに、なるかな。

　　　　　　　　イクス


（以前のカード、はがし。
換わりに新しく、ピンで留めた。）

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