とある宿屋。
ナナオと云う冒険者宛に預けられた言付け。
要らない紙切れの裏に神経質そうな小さな文字が並んで

『　連絡が遅くなってすいません。

ミコトさんの依頼の件ですが一度二人で予定を話し合いたく思います

ボクは今「月の滴亭」に滞在しているので其方に返事して下さるか都合の良い時に尋ねて下さると有り難いです。

　　　ルガリア・ココ』

文字を瞳で追うと軽く眉を上げた。
最初はただのチラシかと思い、
特売の文字に釘付けになったのだが、
日付が過ぎていたことで気がついたのだ。

「今すぐね。」
そう呟いて、赤毛の女はコートを羽織ると宿を目指した。
本当に、今すぐだ。


今、すぐに。

（月の滴、冒険者達が使う掲示板に張り出された紙）

『ナナオさん、ジュピターさん、ライさんへ

準備も出来ましたので今日より砂漠へ移動となります。
拠点とするのはアマウラ、各人出島で落ち合いましょう。

ボクと稀も直ぐに後を追います』
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ＰＬ：本格的な探索は２４日から１週間
其の間はソロでも待ち合わせでも自由と云う事で！
でも「スチャラカ冒険隊」は拙いっす、と思いつつ。
あの時の山○ＧＭとザ○＝ンＰＬさんって結婚したってマヂですか？
誰か真実を――教えて下さい(´□⊂ヽ

小さな文字で書かれた伝言を見つける。
細い指先で文面を撫で追い、口端には意地悪そうな笑みを浮かべた。

―――。

しばし考え、綺麗ではないが柔らかい文字を加える。


　　　『　　諾　　』


と―――。

朝食のガーリックトーストを齧りながら紙を眺める。
一足先に出立日時を聞いてはいたが―――

『え、各自アマウラ集合？』

ぽろ、と口からトーストを落とした。
目を擦って何度も何度も文字を追う。
間違いなく、そこには「集合」の文字が―――
赤毛の冒険者は無言で鉛筆を取ると、紙に穴が開きそうなくらい力をこめて―――否、心をこめて書き込んだ

『了解、覚えてやがれデコ野郎』

うん、わかった。あたし、出島にいくよ。

（すみません、今確認しました。何時に出島にいけばいいですか？）