桜の押し印のある便箋は、その人の目に止まる事を祈って揺れていた。その便箋には、これを貼った人物の人柄に似合わず、丁寧な文字でこう、書かれている。『 太陽鉄を見つけ帰還しました。 都合の良い日を教えてください。 受け渡しにまいります。 ご連絡お待ちしております。 ナナオ 』
... 読み進める内に 笑みが咲いた日。『 一応、明日5/2の午後十時に。 フリースペースの工房で御待ち申し上げますが。 御時間の方は、別の日取でも一向に構いませんので。 御好きな希望を申してください。 ミコト。 』
返事を見ればニコりと微笑む。5/2の十時、ね。ん。と…なると、だ―――――。同じ模様の便箋に同一人物が書いたと思えないような、乱暴な文字で「デコリーダー・ココへ。 明日だと。 準備しとけよ。 ナナオ」
宿の掲示板に張り出された一枚の羊皮紙神経質そうな文字が並んで「ナナオさん、今夜は急な用事が入ってしまい大変申し訳ありませんがナナオさんにはパーティーの代表としてミコトさんの工房へ行って貰えると有り難いです。リーダーとして心苦しいお願いではありますがどうか宜しくお願いします。」でも何か悔しかったので全文エルフ語で書いたデコリーダーでした。