一括表示 |
---|
(深夜、人目を避けて、屋敷に届いた、一通の手紙… |
(ブルーブラックのインクで、筆記体の「N」。一見淡々とした筆致。 |
(前と同じように、細心の注意を払い、周囲を警戒しながら、返事を書いた手紙を… |
(どこの誰とも書いていないが、例によって筆跡で分かっていただこうということ。無念の影さす、そんな字で。警戒心と緊張のせいか、文字の端々に妙に力が篭った筆致) |
(既に彼女の筆跡、覚えました。無念の影さす、そんな字に勝手ながら嬉しく思う男心(会えないのが残念で、そして自分の事を大事に想ってくれているのが分かるから)。 |