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タイトル少年Aさんへ
記事No2532
投稿日: 2005/12/05(Mon) 05:13
投稿者ルガリア・ココ
宿の一室、ベットの脇に置かれた手紙。
几帳面な共通語で文章が綴られている。

『お早う御座います
この文章を見てる時、朝か夜か判りませんけど。

取り敢えず宿の女将さんに頼んで部屋は開けて貰いました。

貴女の深い事情は知りません
何故家出したとか、父親から逃げているのかとか何か理由があるのでしょうけど。
脇役である僕の出番はここまでのようです。
横から攫って美味しい所だけ貰うのも魅力的なんですけども
複雑な事情がありそうなのでパスします。
苦手なんです深い事情とかって。

代わりと言っては何ですけどもここの宿に依頼を受けて貴女を追っている冒険者のナナオさんと言う人がいます。
赤髪のちょっと、いやかなりの男勝りな女性ですが
話をしてみて下さい。
この辺で幕引きなのか、未だ逃げ続けるか知りませんけども
宿まで運んだ運賃としては破格の条件だと思いますから。

連絡は宿の掲示板でも部屋を尋ねるでも何でも
ナナオさんには話を通しておきますので。

それでは―――。

ルガリア・ココ

追伸

額の「肉」の字は一日位落ちない特殊染料です。
どうかお楽しみ下さい。

タイトルココはんへ。
記事No2535
投稿日: 2005/12/05(Mon) 23:44
投稿者少年A
へぶッと目覚めた瞬間、手紙と肉の字にビビッた。


「ココはんへ。

先ずは、突然気を失ってすまなかった、と。
いや、眠ったワケやないで!気ィ失ってン!

で、運ばせてもうたみたいで…―――

ホンマにすまん。

迷惑かけた。

で、ナナオ、ッて女の人に会うたらえぇんやな。
迷惑掛けたココはんの言うことや。
従っとく。

すまなかった。

               ―S―

P.S.

 でも、肉ッて書いたことと、散々ゴリラ呼ばわりしたのは
忘れへんよ。」

額の肉の字を摩りながら、店の主人に「ルガリア・ココ」なる
人物の部屋への投函を頼んだ。