月の滴に宿泊するヴェルセリオス宛てに、そっと届けられた一通の手紙。飾りもなにもない、質素な封筒に包まれた手紙の内容は、これまたシンプルだった。墓地で狩人と吸血鬼が争い、騒がしくなった。しばらくこちらには近づくな。それは差出人の不器用さと、用件だけを完結に伝える、事務的な気質を良くあらわしたものだった。
(読み終えたら直ぐに手紙を燃やして、灰を散らした)そんなことが・・・ふむご忠告には素直に従いますか。暫く会えなくなりますがどうせお風呂で張っていればそのうち会えるでしょう。あとは・・・次に会ったら、お礼でも言うとしましょうか。(なんともいえないくすぐったさを感じていた。 誰かに身を案じられるのは、悪い気はしなかった)