タイトル | : 手紙が舞い込んだのを見て |
記事No | : 3573 |
投稿日 | : 2008/03/09(Sun) 20:44 |
投稿者 | : シャリネ |
歌姫と呼ばれる少女は駆け寄った。 手紙を抱きしめて、中身を確認しては一人喜びをかみ締める少女の姿。 クローバーを見て、ちょっとだけその微笑が淡く緩むように滲んだ。 それが彼なりの気遣いだとわかるから、嬉しそうに指で弄んだ後 慌てた文字が走るその手紙に、また、零れ落ちる笑い声。 悪戯に、封筒に咲き始めの淡い桃色のスイートピーの生け花を一輪飾って春の知らせを付け足すよう。 そして、何時も通りの文字が少しだけ浮かれた様子で綴られるのだ。
――チャリオットさんへ。
お返事、ありがとう。
11日の21時。或いは、14日の21時からなら、私は大丈夫そうです。 もし、どちらでもよかったら。14日の21時に。
シャリネ
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