（　『それ』は、綺麗に整理整頓された書類の傍ら――　）

　ボクね、　良いこと　思いついちゃった！
　　えッとねー　……いちンちだけ、
　どれーぎるど　もどってみよッかな　って。
　　でねッ、　檻ンなかのみんなに『きんきょーほうこく』
　してこようかなッて。ひがえりりょこー、みたいだねッ。
　　　　
（　ソファの下に、ヨハンさまを拝見出来なかった少年は。
　　　白い紙に”ゴキがのたくったような”文字を書き連ね　…
　　書類の傍らに添えるのでした。そして少年は寝床へ、と。　）
　　　
　　

お前は馬鹿か。
いやお前は馬鹿だ。
気軽に考えるなたわけ。
捕まるに決まっているだろうが。
日帰りなんぞできるか。
それともなにか奴隷ギルドの方がいいか。

わかった。もういい。
仕事が終わり次第付き合ってやるから、
絶対に一人で行くな。
5月15日、16日の21時からは空いているから、
予定を組んでおけ。

（　神経質極まりない文字で書かれた、
　　ツンデレのツンの部分盛りだくさんの手紙が、
　　少年の枕もとに。
　　　もし床で寝ていたら、ご丁寧にベッドにねじ込んでから。　）

――　あれ？
ボク　…お友達と　そこ（床）で寝てた、のに　…
何で　、…　ここ（ベッド）に居るン　だろー　……？？

（　―　そして枕元には、一通の　手紙。　）

　　………　（　　拝見しております。　　）　……　。

…　――　むぅ〜　…。　ヨハンに云わないで行ったら、
『すぱァ――ん』　ッてされちゃうと思った　から、
ちゃんと云ったのに、　さー　……　。
　そ、　そりゃァ　…檻ンなかのほーが、良い　ッてことじゃ
ないけど　……。　で、でもぅー　――　…
……　！？　ヨハンも、行ってくれる、の　…！？

　　えぇ　ッとー　……１５にちッ、　てあした　だよねー？

（　そう　…
　　床で、うぞうぞしていたお友達に訊いております。
　　如何やら少年、１５日にヨハンさまがご一緒して下さる、と
　　云う現状をとても嬉しく思っているようです。　）