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サドンデス(水面オリジナル)
 サドンデスと言う名の漆黒の花。

 1年に1日しか咲かないと言われる漆黒の花、次の人には涸れている。その花弁は人間の髑髏に良く似ている為にこの名が付いた。錬金術などに使うと何か特別な効果を付加することが出来るらしいが、その生産量の少なさから研究は未だされていない。

 現在の所有者はガルンドルフとツバキ。


三作の刀
 鎌倉時代の3人の代表的な刀工、粟田口(京)の藤四郎吉光、鎌倉(相州)の五郎正宗、越中(富山)の郷義弘によって作られた日本刀のことを特に三作と呼び、室町時代から武家の間では宝刀とされた。

 正宗は特に全刀工中で最上とされ、秀吉の時代から第一にあげられていて、江戸時代の名刀リスト『享保名物帳』でも三作の筆頭として掲載されている。正宗の名は伝説化し、刀は持ち主の名をとって「三好正宗」(三好長慶)、「中務正宗」(本田忠勝)、「会津正宗」(蒲生氏郷)、また形状から「包丁正宗」「篭手切正宗」などと呼ばれ珍重された。

 三作は武士の所蔵品としては最高級のものだが、その刀には刀工のサインである銘のあるものが少なく、よって偽者もたいへん多い。大名の中には体面を保つために偽者を承知で購入したり、大切に保管せざるをえないといったこともあったという。


死海文書
 『クムラン文書』『Q文書』『死海写本』とも呼ぶ。紀元前二世紀ごろ、死海の西北端で集団生活を営んでいたクムラン宗団と呼ばれる一派が書き記したもので、1947年にベドウィンの3人の羊飼いの少年により発見された。

 クムラン宗団は、先鋭的な教義を持つエッセネ派に似た教義の下で集団生活を営んでいた宗派である。発見された文書の多くは『旧約聖書』やその外典・偽典とほぼ同一のものだが、独自の文書として「光の子と闇の子の戦いの規範」と呼ばれる予言書めいたものもある。これは光の勢力と闇の勢力の最終決戦が到来することを予言したもので、その戦いの後、光の勢力に味方する自分たちは天使にも等しい存在へと昇華し、永遠の幸福を享受すると主張している。

 修繕の関係で未だに公開されていない部分も多いため、破滅を予言しているなど、あらぬ誤解を受けている文書でもある。


死者の書(エジプト)
 古代エジプトにおける死者の副葬品で、死者の復活と永遠の命の獲得を助ける呪文が書かれた文書である。といっても死者の書という特定の文書や呪文があるわけではない。時代や死者の地位などによって、いろいろな呪文や文章が書かれ、各種の死者の書が存在した。

 本来は葬式のときに遺族や神官が唱えるべき文書なのだが、より確実に働かせられるよう、死者本人が唱えられるようにと副葬品として置かれるようになったものである。その内容は、オシリスの審判で罪を犯さなかったことを誓う呪文や、そのときに死者の心臓が余計な事をいわないように押さえる呪文。また、死後の裁判で強制労働となった場合に備えて、ウシャプティという像に肩代わりさせて働かせる呪文や、死後に食料を得る呪文などがある。古王国時代には玄室の壁に、中王国時代は棺に、それ以降はパピルスに記されている。


死者の書(チベット)
 チベット仏教における重要な文書の一つ。チベットで死者の書と呼ばれているものはいくつかあって、欧米でも広く知られた『パルド・トドゥル』や『クスムナムシャ』など様々である。最も広く使われているのは、ダライ・ラマ自身の派であるゲルク派版「死者の書」の『クスムナムシャ』であろう。これは18世紀の僧ヤンチェン・ガロの執筆による。

 この書は、死から中有という中間段階を経て、再び女性の体内に宿って生まれるまでを非常に理性的に記述したものである。チベット仏教で最重要視される秘密集会タントラ(欲望を持ったまま、その欲望のエネルギーを成仏への力とする修行)のための基本として、死者の書の生死観を学ぶ必要があるとされる。


視肉
 切り取って食べたそばから、切口が元のように盛り上がって戻っていくという無限の食肉。視肉は『山海経』によれば狭山というところにあるという。肉が集まって牛の肝臓のような形をしており、目玉が二つついている。切り取って食べた味はノロジカのような味がするとも、ごく薄い味であるともいう。切り取った痕はすぐに肉が盛り上がり、もとのようになってしまうので、食べつくすことがない。

 古書には「追復」「日反」などというものが伝えられているが、これはみな視肉の類である。また『涼州異物史』には月支(現在のアフガニスタン)に、重さ10斤の羊がいて、切り取って食べても肉が復するという記述があるが、これもまた視肉の類であろう。


詩の蜜酒
 『詩のエッダ』(古エッダ)の中の「オーディンの箴言」に、オーズレーリルという宝物のように貴重な蜜酒が登場する。

 『散文のエッダ』(新エッダ)の編纂者であるスノリは「詩語法」の中で、この蜜酒に来歴と、飲んだ者に詩作の才能を与えるという魔法の力を付加した。『散文のエッダ』ではオーディン率いるアース神族と、敵対神族のヴァンが和解した際、講和の証としてツボに吐きこまれた唾から生まれた賢者クヴァシルの血から、この蜜酒は醸された。クヴァシルを殺害し、その血から蜜酒を造った黒小人の兄弟フィアラルとガラールは、巨人スットゥングに酒を奪われる。変装したオーディンはスットゥングの娘グンレズに近付いてたぶらかし、貴重な蜜酒を盗んだ。これによってオーディンは詩人の守護神となったのである。


照妖鏡
 隠身の術を使う妖魔や、通常見ることのできない魔怪を照らし出し、現世にその姿を表させる鏡。

 前漢の武帝の時代に祗国から献上された照妖鏡は、青金(鉛)でできていたという。この時代の鏡といえば普通は青銅製の銅鏡なのだが、魔法の力を持つ鏡であるということから、特別な材料が使われたのかもしれない。この鏡は魑魅を映し出し、その姿を見破ったという。


水銀
 洋の東西を問わず、神秘思想において神聖あるいは神秘的な存在とされる金属。物理的には亜鉛族元素の一つで、元素記号はHg、原子番号は80、原子量は200.6.融点がー38.842℃と、常温で液化する唯一の金属となっている。また、金や銀、鈴など(鉄以外の)多くの金属と合金を作ることができる。

 錬金術では第一物質の精製に重要な役割を果たすため、必要不可欠な物質とされている。それ以外にも、他の金属と容易に結びつく性質のせいか、錬金術の世界では水銀は「両性具有の怪物」という別名も与えられている。

 中国においては、水銀は丹紗と呼ばれており、神仙道の秘薬である仙丹を作る際に必要とされた。中国の歴代皇帝の何人かが仙丹の服用が原因で死亡しているほどだ。また、「散歩」という言葉は仙丹を、つまり水銀の服用が原因で発熱した体を冷ますために、屋外を歩き回ったことが語源ともいわれる。

 一方日本において水銀は深く仏教と結びついていた。弘法大師空海は、中国より持ち帰った真言宗の教えを日本に布教するための本山を定めるにあたって、三鈷杵を投げて、それが落ちた地に根本道場を開こうと決めた。その地こそが高野山だったと伝承されている。確かにその通りだったのかもしれないが、一方で高野山は良質の水銀鉱山であった。

 中世およびそれ以前の日本において、貴金属鉱脈に関する知識を持っていたのは、山の民や漂白の民といった非常民である。山野を回る遊行修行を続けていた空海は、彼らと親交を持っていたとも考えられる。空海が真言宗の布教や本山経営のために必要な資金を、高野山の水銀から捻出していたとしてもおかしくはないだろう。また水銀は、鉱山より採掘される金を鉱石より分離する際にも用いられていた。


スパニッシュフライ
 ヨーロッパにおける伝統的な媚薬。蝿の一種で、日本でいうイモリの黒焼きに相当するもので、その有効性の真偽は不明。

 その服用法は、焼いたスパニッシュフライを粉末化し、ワインに混ぜて相手に飲ませるという単純なものだ。これを服用した相手はたちまち恋の虜となって自分に惚れてしまう、とされていた。が、そもそもスパニッシュフライというからにはスペイン産の蝿だろうが、そう思われる蝿自体が存在しない。おそらく「陽の沈まぬ帝国」と同様、スペインが未開地で見つけた神秘の媚薬という触れ込みで売られていただけの、普通の蝿なのだろう。


聖遺物
 キリスト教において、聖人が死ぬとその遺品までが聖なるものとして崇拝されるようになった。これが聖遺物である。

 聖遺物となる最高の材料は、もちろん聖人の死体そのものである。このため、聖人が死ぬとその死体を奪い合って神父同士が醜く争うという事態が発生する。そしてその死体はバラバラにされ、あちらの聖堂に腕、こちらの修道院に心臓という具アにばらまかれる。さらに、現在有名な大聖堂でも聖遺物の由来として「○○修道院から盗んだ」とか「強奪した」とか堂々と書いてある。なにせ由緒正しい聖遺物を盗めば、それは必ず本物だからだ。当然、偽者も多く、十字軍時代には聖遺物製造業が現在のイスラエルで盛んだった。


聖槍
 ローマ人の戦士ロンギヌスがキリストの脇腹を突いた槍であり、ロンギヌスの槍ともいう。

 この槍についての記録は、570年にピアチェンツァの聖アントニウスが記したのが最初である。長らくエルサレムにあったが614年にペルシアのエルサレム占領を避けて、その穂先ダケガコンスタンチノープルのソフィア教会へと移された。さらに、1241年にフランスの聖ルイ王へと譲られたが茨の冠と違って穂先は一時失われていた。

 1357年にはジョン・マンデヴィル卿がコンスタンチノーブルで聖槍を見たと書いている。都はトルコの占領するところとなったが、サルタンの兄弟の身代金として聖槍はローマに送られた。そして、ヴァチカンの聖ペテロ聖堂の四つの柱の一つに飾られている。それ以後も聖槍と呼ばれるものは多数見つかっており、どれが本物ともしれない。


聖なる石
 ハイチの住民たちは、アフリカにシャンゴという神がいて、その神は稲妻を投げて力を秘めた石を作るという。これが聖なる石である。雷石(ピエル・トネール)ともいう。考古学者によれば、ラテンアメリカの先住民であるアラワク族の石器だという。

 ヴードゥ教の信者たちは、この聖なる石には様々なヴードゥの神々(ロア)が宿っているという。ある石にはアグウェが宿り、別の医師にはオグーンが宿るというように、石によって違う神が宿る。信者たちは儀式を行うだけの金をためると、石に洗礼を施し、祭壇の白い皿に乗せて飾る。おりに触れ油で洗い供え物を捧げる。

 石にロアが宿っているかどうかは、石を手で包み、息を拭きかけるといい。石が汗をかけば、ロアがいる証拠である。このような石は代々伝えられ、どれだけ金を積んでも買うことはできないという。石は自分で見つけるしかない。


聖なる飼葉桶
 この世で最初にできた聖遺物といえば、当然キリストが生まれたときに産湯を使った飼葉桶以外のなにものでもありえない。ベツレヘムにあった飼葉桶は、その後分解され、五片の板になった。年月を経て黒ずんだこの板は、ローマにある聖母マリア聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂)に保管されている。

ただし、五枚のうち四枚は聖なる飼葉桶のものと考えられているが、一枚だけは別のものだとされる。1893年の調査で、この四枚の板はイチジクの木でできていることが判明している。イチジクは聖地に多く自生している木なので、納得できる話だ。マリア聖堂では、金銀で飾られた違宝箱に収められた飼葉桶の板を、クリスタルガラス越しに見ることができる。


聖杯
 アーサー王伝説でも有名な聖杯だが、これが実在していることを知る日本人は少ない。しかも二個も。聖杯について書かれた最も古い記録は、シトー修道会の年代記編者であったヘリナンデスが、717年にとある隠者に最後の晩餐の幻視が訪れたことを書き残したものだ。その隠者は『Gradele』という本を書き、それがGrailの語源となった。

 そもそも聖杯は起源が二つある。最後の晩餐にキリストが使った杯と、磔になったキリストの血を受けた杯だ。そして現存する杯も二つある。一つはニューヨークのメトロポリタン美術館にある。1910年にシリアの砂漠の井戸から発見されたもので、キリストの血を受けた杯だという。もう一つはスペインのバレンシア大聖堂のもので、最後の晩餐のものだという。今のところ、仲良く名誉を分け合っている。


聖ヤヌアリウスの血
 聖ヤヌアリウス(272?〜305?)は、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの迫害により斬首されたベネヴェント司教である。ナポリの守護聖人で、祝日は9/19である。ナポリのサン=ジェナーロ大聖堂(サン=ジェナーロは聖ヤヌアリウスのイタリア語読み)には、彼の血が小瓶に保存されている。

 この血は普段は固体なのだが、9/19をはじめとして、ナポリの祝祭の日に合わせて年18回だけ液状化する。そして、しばらくすると再び元の固体に戻ってしまう。この奇跡が最初に起こったのは1389年のこととされる。現在でも、奇跡に懐疑的な科学者が科学薬品を用いて凝固と融解を再現しようとしたが、未だに成功していない。当時は殉教者の血を器に受けたり、布に浸したりすることは一般的だったので、血が残っていること自体に不審点はない。実際、光学分析でもヘモグロビンが検出されている。


創造の書
 ユダヤの秘宝であるカバラの根本教理書の一つとされる書物。『形成の所』(セーフェル・イェツラー)ともいう。この種の書物の御多分に洩れず、『創造の書』は伝説的人物であるアブラハムの手による書物とされている。が、実際には3〜5世紀の間に、ユダヤのラビ(導師)であるラビ・アキバとラビ・ハララビの手によって記されたものとする説が有力視されている。

 『創造の書』に記されているのは、カバラの基礎となる生命の樹の球体と径に冠する知識と、万物照応の根幹をなすヘブライ文字に関する考察などが中心となっている。言葉(文字)の考察を行う同書が『創造の書』とされていることからもわかるように、ユダヤの世界観においてこの世の創造は言葉によってなされた。それは『旧約聖書』の「創世記」において神の発した「光あれ」の言葉で光が出現し、天と地を分けたところからもわかるだろう。


ゾリャーのヴェール
 ゾリャーとは「オーロラ」という意味のスラヴ語である。神話において、天に住まう可憐な乙女の姉妹の神格とみなされていた。彼女らは太陽(ダジボーグ)の宮殿の門を見張る番人だったが、時代が移ってペルーンへの信仰が力を得ると、その役目も変化した。ゾリャーは西・北欧の神話によく見られる武装して戦う乙女の戦神となり、美しいヴェールで戦士を守る守護神となったのである。ギリシャ神話のアルテミス、北欧神話のヴァルキューレとの類似性は強い。

 スラヴの戦士は、19世紀まで以下のような呪文を唱えてゾリャーの加護を願ったという。「聖女よ、あなたのヴェールで私を覆い、あらゆる敵の力から、銃と矢とから、全ての敵と全ての武器とから、木の武器、骨の武器、鋼の武器、銅の武器から、どうか私をお守りください」。ここでいう「ヴェール」とは、むろんオーロラそのものだったろう。


ソロモンの指輪(ユダヤ)
 ユダヤ史最高の王と呼ばれたソロモン王が持っていたとされる指輪。この指輪は『ソロモンの大きな鍵』(大鍵)と呼ばれる魔術の奥義書とともに与えられたともいわれている。が、誰が与えたかについては、『大鍵』と同様、神説や天使ラジエル説、悪魔バアル説など諸説あり、多くの魔法書やオカルト書の起源と同じで、定説は存在しないも同じという状況になっている。

 ソロモンの指輪には、『大鍵』により呼び出された72の悪魔を従わせ、封印する能力があった。そこから、この指輪は『大鍵』と対になった品物であるともいわれている。また、時代を経ていくとともに、この指輪には72の悪魔を制する力のみならず、猛獣を従える力や、持ち主を透明化する力まで有しているとされるようになっていく。


ゾンビパウダー
 ゾンビパウダーとは人間をゾンビにする薬である。

 ゾンビとは腐った死体が黄泉帰ったものではなく、生きている人間の意思を失わせた精神的死者のことである。ゾンビパウダーは、人間の死体、トカゲ、蟇蛙、ゴカイ、チャチャ(マメ科ネムノキ属の有毒植物)、フグなどから作られる。

 この薬を使われるとその人間は仮死状態になり、そのあと蘇生するが、自分の意思を持たない人形のような状態になる。これをゾンビという。研究によれば、薬品の主成分はフグ毒と同じテトロドトキシン系の薬物であるが、それだけではゾンビ化の説明ができないと言われている。