儀式魔術

 儀式魔術は自然哲学が元になっている。魔女宗は自然そのものを神ととらえる。
魔女宗、ウィッカンを信じ魔女となる条件は

  1. なんらかの自然神(パン、地天、サラスヴァティ、八百万の神々など)を信仰し、その神に祈りを捧げる人々。
  2. 自らの性の本質を追求する。
  3. 平等で、肉体・精神的自由を希求する。


 中世の魔女狩りだが、乳児をむさぼり食うイメージはカトリックの異端審問官たちに作成されたイメージであることが多い。魔女とされた人間が信仰していたとされる悪魔の正体は古代の女神(自然神)で、キリスト教全盛だった中世にこっそり生き残っていたのではないかといわれる。古いヨーロッパの農耕神ともいわれ、サバトは元は農民の祭りであった。

 20世紀半ばのイギリスで魔女宗を創設したのがジェラルド・B・ガードナー。60年代のアメリカはベトナム戦争の反動で若者が精神世界の文化に貪欲だったため、同じ英語圏の先達であるイギリス生まれの魔女術は瞬く間に流行していった。70年代初頭からは新しい流れの魔女宗が生まれた。古い民族的な伝統に加え、フェミニズムやエコロジーと連帯する運動体として発達した。自然神である女神を崇拝する事から、母権思想もあった。

 魔女の結社をカヴンといい、それに属さないソロ・ウィッチが増加している。



○自然の元素

 自然の成り立ちをどう捉えるかという事は、様々な説があるが、大方の一致点は次の四元素である。

  1. 風(大気)


 近代オカルティズムの影響を受けた魔女は5、霊魂(spirit)を加える場合がある。

 これらは、儀式の中で象徴化する役目を担う。そしてあらゆる事象を儀式を通じてこの四大・五大元素に当てはめる要するに魔女の儀式は、いつでもどこでも自然と自分を一体化させ、どんな状況においても神を自分の中に感じさせるようにする為に行う。

 アレイスター・クロウリーは「万物照応表」を作成し、世の中の森羅万象をカバラ神秘思想の「生命の木」と五大元素と七大惑星(太陽・水星・金星・火星・木星・土星・月)に分類した『777の書』を残している。現代の魔女はこれを拝借し、自らの自然観に取り込んで自分の「万物照応表」を作成している。