タイトル | : 手紙が舞い込んだのを見て |
投稿日 | : 2008/03/09(Sun) 20:44 |
投稿者 | : シャリネ |
歌姫と呼ばれる少女は駆け寄った。
手紙を抱きしめて、中身を確認しては一人喜びをかみ締める少女の姿。
クローバーを見て、ちょっとだけその微笑が淡く緩むように滲んだ。
それが彼なりの気遣いだとわかるから、嬉しそうに指で弄んだ後
慌てた文字が走るその手紙に、また、零れ落ちる笑い声。
悪戯に、封筒に咲き始めの淡い桃色のスイートピーの生け花を一輪飾って春の知らせを付け足すよう。
そして、何時も通りの文字が少しだけ浮かれた様子で綴られるのだ。
――チャリオットさんへ。
お返事、ありがとう。
11日の21時。或いは、14日の21時からなら、私は大丈夫そうです。
もし、どちらでもよかったら。14日の21時に。
シャリネ