タイトル | : ( きっと問われない者の意識 ) |
投稿日 | : 2008/03/24(Mon) 05:19 |
投稿者 | : セレニア |
( このハンターは、そういった意見を求められない。 あまりにも狭量で、ともすれば保護されているヴァンパイアハーフを殺そうとしかねないと、そんな風に判断される材料もあるからだ。
それでも意見を求められたとして、まず保護されているヴァンパイアハーフは速やかな死を望んでVHGに名乗り出たと決め付けてしまっている。 『ヴァンパイアがVHGに名乗り出る』ということが、このハンターにとってはそういうもので。 だから、事情聴取の中で語られるヴァンパイアハーフの言葉は、いざ死ぬという段になってせっかくの勇気が萎縮してしまいそうなのだと受け止められた。
人の血を糧にして生きているということが最大の苦痛なら、一時の気の迷いで死を遅らせることも、更なる苦痛を与えることに他ならない。 死を望み名乗り出たヴァンパイアハーフの思いを尊重し、その勇気で多少なりと罪が償えるとするなら、これ以上の責め苦を与える必要は無いのではと考える。 つまり、死なせてあげようと。
そして自分が判断の前提となる認識を誤ったままであっても、何れにせよアレックスが意見を表明するのなら、全面的にそれを支持しようとするだろう。 )