タイトル | : …辛いよね。 |
投稿日 | : 2009/11/17(Tue) 23:04 |
投稿者 | : 会別理久 |
( ―――あるはずのものが無いっていうのは、けっこうきつい。
かと言って、無くしてしまったから探すかというと、それでくっ付くわけでもなし、私は諦めたと思うけど。
二の腕はともかく左脚はきちんと荼毘に付してくれたらしいから、私には分からない。
もしも五体満足で見たのなら、ただの怪談ちっくな夢だった。
よくある話だと思う。 私の○○どこにあるの?と聞かれて、分からないと答えたらその部分を持って行かれてしまう、とか。
でも片脚なくしてしまったばかりの私は、それを、あまり不気味だとか恐ろしいとは思わなかった。
ただ、哀しくて哀しくて―――
夢で泣いたのは久しぶり。
暑くもないのに嫌な汗かいて眼を覚ましたら、手元に白い包みが転がっていた。
お見舞いにしては、なんというかセンスがいい。
でも、そんな素敵な友達は思い当たらなくて。 何よりその、何の変哲もない白い布の包みが夢のままの物に見えて。
どうしたものかな、と頭しかない人形の頬を撫でた。 )