タイトル | : とある酒場にて。 |
投稿日 | : 2006/09/08(Fri) 03:56 |
投稿者 | : 名も無い傭兵 |
町の片隅、安酒振舞う酒場にて。
上機嫌に酒を食らう優男が一人。
「はは、オレがあの捕虜を捕まえたんだぜ!」
硬い女と暗い女。
城門へと襲い掛かる魔物を二匹、たった一人で
掴まえたのだとその優男は嘯いた。
「嘘だと思うなら、自警団の…ええっとなんだ、
タヌキだかキツネだかいうヤツに聞いてみろよ。
あいつから報奨金だって、こんなにたんまり貰
ったんだからよ!」
自慢げに、懐の金貨詰まった布袋をちらつかす。
「あ?捕虜の処遇?そんなものは知らないね。
自警団に捕まってんだろ、聞いてみたらどうだ?
そんなことより、オレの活躍を聞けって、な?」
荒唐無稽な大活劇を語る男は、傭兵よりも
吟遊詩人のほうが向いているのだろう。