タイトル | : 日記 |
投稿日 | : 2008/06/11(Wed) 03:18 |
投稿者 | : EM |
―――6月11日
今朝、頭が二つはえた猫が生まれた。
破滅の足音が近づいてくる。その証左なのだろうか。
私にはわからない。わかる事など何も無いのだ。
ただ、私が今、危機的状況にあることは間違いないだろうと思う。
結局、この矮小な人間に理解できる事など何も無いのかもしれない。
そう、我々は、何も知らず、理解できないでいる。
ただ無限に広がる暗黒の海の只中に浮かぶ、無知という名の孤島。
其処こそが我々のいる唯一無二、絶対の――安息の場所なのだ。
果てしない海、深淵、其処に潜むのが何者か、知らないのだから。
何だって、こんな事になってしまったのだろうか。
猫の鳴き声が五月蝿い。
後悔をするには……あまりにも時間が無い。
ああ、ジャネット。すまない。本当にすまない。
もう一度貴女に逢いたいが……最早叶わない願いだ。
糞。何だってこんなに耳に響くんだ。
なるべくわかりやすく書いたつもりだが。
この手記が人目に触れないことを祈る。
黙れ。鳴くな。
それはつまり、私が無事に逃げ延びたという事だろうから。
ああ、くそ! 猫が! 猫が!
神よ、私を救いたまえ!
にゃあにゃあとねこが
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これは発見された白骨死体が握り締めていたものである。
既に内容は大学全体に広がっている。