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タイトル 『旧き印について』
投稿日: 2008/06/15(Sun) 17:54
投稿者大学図書館蔵書

《第四の印は旧き印である。夜に諸力を招く者を守り、脅威と敵意の力を退ける》

これは彼の有名な『魔物の咆哮』として知られる魔道書ネクロノミコンからの抜粋である。
著名な神秘学者でもあったダレット伯爵によれば、これは五芒星と、その中心に燃え上がる瞳で現されるという。
これが如何なる存在によって考案されたのかは諸説あり、一概に断定することはできない。
が、その中でも極めてよく知られている説を一つ取り上げることで、この印に関する説明とす。

「これは人類以前に存在していた知性を持つ存在、『先代の人類』とでも表現すべき存在のシンボルである。
 私は彼らに敬意を評し、彼らのことを『古き者』と呼称している。今は無く、かつて存在した者ども。
 世界各地で発見される、我々の技術力を大きく上回った遺物は、彼らの作り出したものかもしれない。
 無論、こういった考古学的な考察は私の専門分野ではなく、或いは異なるのかもしれないが、
 記憶に留めておいて貰いたいのは、彼ら古き者どもが高度な文明を持っていた、という事である。

 彼らが何故滅んだのかはわからない。
 或いは今現在も生存しているかもしれないが、少なくとも我々の目前には存在しない。
 様々な各地の文献を参照すると、どうやら古き者は、生物を作り出すことに成功したらしい。
 それは我々にとっての奴隷のような存在であり、様々な――そして圧倒的な能力を持っていたようだ。
 しかしながら古き者は、その奴隷生物に叛逆され、自らの作り出した者に滅ぼされたようだ。
 これは我々人類の行く末にも当て嵌まるようにも思え、何とも皮肉な結果と言える。
 故に私は奴隷制度に対し、もう少々、彼ら奴隷の「機嫌」を取るべきだと常々主張している。
 或いはホワイティア以外の劣等人種は、須らく抹殺してしまうか。
 そのどちらかの方策を取るべきだ。

 さて、旧き印の話に戻ろう。何故に旧き印は、魔除けとしての役割を持っているのか。
 これは推察だが、古来より存在していた怪異、怪物の類と、古き者は天敵であったのではないか?
 古き者は怪異と華々しく対決し、そして其れらを退けた。だからこそ、怪異は旧き印を恐れるのだ。
 つまり逆説的に言えば、この旧き印には何ら魔術的な効力などない、と考えることもできる。

 幸いな事に、私自身は怪異の類と遭遇した事は無く、実際に旧き印の恩恵に授かったことはない。
 が、幾人かの術者に話を聞いたところ、やはり想像通りの返答が帰ってきた。
 旧き印を刻んだ灰色のムナール石や、魔術的な効力によって生み出した旧き印は、確かに怪異を退ける。
 これを応用して四方を旧き印で囲み、怪異を閉じ込めることも可能だという。
 しかしながらそれは、例えるなら道路を通行止めにするようなものであり、
 術者自身を護ることはなく、旧き印のある箇所を回りこんで、怪異は襲ってくるのだ。

 そう考えてみれば、旧き印は『退ける』程度の力しか持っておらず、
 こう表現したネクロノミコン、或いはアルアジフの著者であるアルハザードは、
 極めて正確な文章を記したと言う事もできる。

 以上の事から判るとおり、この旧き印を「善なる旧神の旗印である」とする意見は、
 まったくもってして馬鹿馬鹿しいものだと一蹴せざるを得ない。
 神の恩恵であるとするならば、これほど効力が無いというのは有り得ないし、
 何よりも、この世界に善なる神と呼べるような存在が、果たして存在するのだろうか」
 
これはある地方村に住む、ある神秘学者の発表した論文である。
私はパプテス信者として、これを甚だ冒涜的な意見だと認めざるをえない。
人類以前に智恵を持つ存在がいたという事や、善なる神が存在しないなどとは!
しかしながら、見るべき点もあることは事実である。
旧き印の効力について、これほど詳細に調べられた文書は他に無いからだ。


『ヴェイトスにて異形の悪魔のなせし邪悪なる妖術につきて』
 より抜粋


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