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タイトル 751P
投稿日: 2008/06/30(Mon) 23:53
投稿者大学図書館蔵書

『―其は黒風の如し。
 地は震裂し、森林は屈折し、村は砕かれん。
 然れども、襲いかかる手を見ることなし―

 其は永久に眠りし亡者にあらねど
 無量無数の果てに死を超ゆるもの

 狂える詩人が数百年もの昔に記したという、いくつかの詩。
 それらから『彼ら』について語った、比較的明瞭な物を抜粋した。
 『彼ら』に関しての詳細は、未だもってして不明である。
 否、正確には知られているのだが――――誰にも理解できないのだ。
 遥か古代。およそ世界が生まれた頃より世界を支配していた存在。
 星辰の狂いによって眠りについた、恐るべき存在。
 わかりやすく邪神などという呼称を用いる事もあるだろう。
 しかしながら旧人類――古き者どもは、その一柱に数えられながらも、
 比較的、我々と同じ――『彼ら』に比べてという意味だが――矮小な存在であった。
 彼らと我々は、姿形こそ違えども、その文化に共通点が多いというのも、その裏付けである。
 魔術的、科学的、両面からして我々を凌ぐ文明を築いていた彼らは、何ゆえに絶滅したのか。
 前述した通り、それは奴隷制度にある。

 奇妙な事だが、古き者どもは自らの生活を楽にする術として、我々と同種の方策を取っていたのだ。
 無論、これが明確な法律、規則として作られていたのかは、今となっては知る由も無い。
 が、しかしながら彼らの労働力となった存在がいた事は事実である。
 労働力であり、道具であり、愛玩動物であり、兵器でもあり――――……。
 明らかにこれは我々の有する奴隷と同じ存在であったろう。
 唯一の違いは、これが古き者どもによって創造された生き物だ、ということだ。
 敬虔なパプテス教徒の諸兄には恐るべき事であろうが、神でなくとも命は生み出せる。
 現に、我々は「からくり」やゴーレムといった存在を作り出しているのだから。
 無論、これらは擬似的な物であり、古き者どもの被創造物が紛れもない生命だったのは疑いの余地がない。

 其れは我らの理解する生物とは大きく異なっていた。
 或いは、単純な恐ろしさでいえば、その奴隷生物こそが邪神という呼び名に相応しいやもしれぬ。

 其は悪臭と共に現れる。地獄の猫の鳴き声のようにおぞましく、冒涜的な鳴き声。
 あらゆる大きさに身体を変形し、あらゆる場所に適応し、あらゆる物を食らう。

 当初は単なる動物でしかなかったそれが、如何にして智恵を得たのかは不明だ。
 だが、智恵を得た彼らは創造主に牙を向いた。
 かつて創造主が他の種族と戦う為に与えた能力を駆使して、だ。
 そしてあっという間に古き者どもは姿を消してしまった。今も生きているのやもしれないが。

 自らを滅ぼしてしまう程の兵器を作った古きものども。
 彼らが何ゆえに、そのような存在を欲したのかは不明であるが、
 恐らくはそれほどに強大な敵がいたのだろう事は、実に明白だといえる。

 その『敵』についての詳細も不明だが、狂える詩人はこんな誌もまた書き残している。

 《ふぐらい むくろなう くるうる るりえい うきゃうなくり うたけん》』

 先に抜粋した神秘学者の論文の続きである。
 実に冒涜的な文書、意見であるといわざるをえない。
 しかしながら、このような恐るべき思想にもとずき、
 ヴェイトス島に邪教を広めんとす、恐るべき異端者どもも存在するのだ。
 彼らに対抗するには、こうした外道の知識を持って挑むより他に無い。

『ヴェイトスにて異形の悪魔のなせし邪悪なる妖術につきて』より抜粋


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